建物のそと見

ブログを始めて1週間、ふと気がつきました。
設計事務所だのに、建物のこと書いてない!
とう訳で、今回は建物の外観、そと見について書こうと思います。
けっこう長いです。ご注意ください。
僕は建物のそと見を考えるときに、見た目から入らないように
気をつけています。
見た目から入るとどうしてもカッコよくしようしようと、見た目だけを
考えてしまうからです。
それではどうするかというと、まず建物の内から外を見たときのことを考えます。
外はいい眺めなのか?
道路なのか?
他人の視線が入ってくるか?
隣に建物があるのか?その建物は離れているのか近いのか?
などによって、
大きい窓がいいのか小さい窓がいいのか?
高い窓がいいのか低い窓がいいのか?
横長の窓がいいのか縦長の窓がいいのか?
はたまた窓をつくらないほうがいいのか?
加えて、その方向が
朝陽が入ってくる東なのか?
年中通して気持ちのいい南なのか?
強烈な西陽のさす西なのか?(僕は西陽がとても嫌いです)
柔らかい光が入る北なのか?
など、まだ他にもありますが、たくさんの条件や問題を、建物のかたちで
クリアした結果、それがそと見をかたちづくっている。
となるのが理想です。
例えば、、、

あ、車庫に先代が停まっている! は置いといて、、、
この家は正面が南向きで、西側と北側は隣家が迫っています。
東側は少しひらけているのですが、あとあと建物が建ってくることが予想されました。
結果、光を入れて風を通すのは南側しかありません。
だけど南側は道路で、しかも突き当たりです。大きな窓をつくると外から丸見えです。
そこで、南側全体を花ブロックで覆いました。
これだと、外からの視線は遮りながら、ちょうどいい光と柔らかい風を
建物のなかに通すことができます。
内から南側をみると、、、

建物の内から外を考えて問題を解決した結果、いいそと見ができました。
(と、自分では思っています。)
花ブロック、地元でつくられているとってもいい材料です!
同じように、この家も交通量の多い県道に面していて、さらに信号もあるので、信号待ちのクルマが家の前に並んでしまいます。

この家の場合は、花ブロックよりも更に視線を遮る必要があったので、
木材を間隔を小さくして並べています。
こちらの家の場合、西側は海が見えて眺めは最高です。


中央の壁の向こう側がリビングになっているのですが、リビングには西陽を入れたくないので、思い切って窓は作らず壁だけにしました。
もちろん他の部分につくった窓で光を入れて風は通していますが、建主さんにとってはなかなか勇気の要る決断だったと思います。
1か所だけ西に開いた窓は、西陽が入るのを最小限にするため、軒を低く、深くしています。
左側の花ブロックの向こう側は洗濯物干し場で、雨が降っても洗濯物が濡れないようになっています。
沖縄では快晴でもいきなり雨が降ることがあるので、窓にはできるだけ庇がついているほうがいいです。
ただ、庇がついているとあまり見た目は良くないので、

庇を出す代わりに、窓をへっこめてみました。
これだと、建物に彫りが出て表情が出てきます。
建物のそと見のかたちにちゃんとした理由があると、説得力があるような気がします。
今回は真面目なハナシでした。